本文
眵雞無距、與鵲交闘。翅折目盲、為鳩所傷。
注釈
巽為鶏。『説文』：「目眥傷曰眵」。眥、眼角也。艮離目不全、故曰眵鶏。震伏、故無距。艮為鵲、為闘、震為羽翰。震覆、故翅折。離為目、目眥下裂、故為目盲。艮為鳥、為鳩、巽羸故傷。（乾為天から天山遯へ）
巽（遯の互体）は鶏（説卦伝）。『説文解字』に「目眥（目尻）に傷があるのを眵という」とある。眥は眼角（目尻）のこと。艮（天山遯から。閉ざされる・封じられるの意）・離（どこから出たか不明。説卦伝に雉・目とある）は目が完全ではないので、眵（目尻に傷のある）鶏。
震が潜（伏）んでいるので、距（防）げない。艮は鵲（迭象の鴻？）、闘（止めるからの派生？）、震は羽翰（羽根。飛び上がるような？）。震はひっくり返っているので、翅（羽根）は折れる。離は目、目眥の下が裂けているので、目が盲（めし）いる。艮は鳥・鳩（迭象）、巽（遯の互体）は羸（弱い。説卦伝では果敢でない）なので傷つく。
日本語訳
目尻に傷のある鶏は距（防）げないまま、鵲と互いに闘う。翅（羽根）は折れ目盲（めし）い、鳩にも傷つけられてしまう。
解説
これはものすごく難儀したので解説もあっているか怪しいです。まず、離と震が何なのかがわからないとなのですが、とりあえず離からいきます。
まず、「目眥の下が裂けている」とあるので「離の下が裂けている」と読めば、遯の二・三爻を「下の裂けている離」とみなせます。それゆえ目尻の裂けた鶏（離）になるということですかね……。
つづいて震についてなのですが、きっと天山遯の互体にある巽は、伏卦（裏卦・錯卦と同じ）は震だから、ですかね……。天山遯の中には震が潜（伏）んでいる、震は飛び上がる・勢いが強すぎる雷などを表します。震はひっくり返っているので（裏卦なので）タロットでいうと逆位置です（違う理論を混ぜるな）。それゆえ争って羽根が折れる、でしょうか（裏卦って互体に使うのですか……）
乾為天の明るい様子から、陰の気がふくらんできて何処かに逃げ隠れたほうがいい雰囲気になるとすれば、離のように明るい模様のある鮮やかな鶏が一部傷ついていて、それでも無理して争っていると陰の気がさらに増えてきて鳩にすら傷つけられるということで、早めに逃げたほうがいいことを云っているのはわかるけど、象徴の解釈は難しすぎです。今回はあまり自信ないですね。
