本文
斧斤所斫、瘡痏不息。針石不施、下即空室。
注釈
伏兌為斧、艮手為斫、為節、為瘡痏、為石、為室、坤死、故曰下即空室。(火雷噬嗑から風雷益へ)
噬嗑or益の裏卦の互体兌は斧(迭象)、噬嗑or益の互体艮は手なので斫(斧を手でもって切る)、節(説卦伝:堅くて節の多い木)、瘡痏(出典不明)、石・室(説卦伝)、益の互体坤は死(純陰)なので「下即空室」という。
日本語訳
斧斤(おの)の斫(傷つけたところは)、瘡痏不息(痛んで已まず)。針や石を施さないと、下はまもなく空室になる。
解説
この詩で、針と並んで石が出てくることについては、針は鍼なのですが、石は「砭(へん)」という石で作った鍼のことで、初めは石の鍼だけだったけど、後に金属の鍼も作られたので、石と鍼といっています(淀んでいる血や膿を流すようにして使ったらしいです)
噬嗑は、雷電の嗑み合っている様子で、刑獄に用いるには可いけど傷もできるので、益のように上を削って下を益して、罰したり刑したままだと傷が残るので、なるべく早くその傷を治すようにしないと、下は空室(墓穴)になる……という意味です。