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60-22  節之賁

本文

喜楽踊躍、来迎名家。鵲巣百両、以成嘉福。

注釈

震為踊躍、為楽。艮為名、為家、故曰名家。震為鵲、艮為巣、震為車、故曰百両。『詩』周南「維鵲有巣、維鳩居之。之子於帰、百両御之。」艮為成、震為嘉福。(水沢節から山火賁へ)

賁の互体震は踊躍、楽(動くからの連想)。艮は名(出典不明)、家(囲う物)なので「名家」。震は鵲(迭象の鴻)、艮は巣(家から連想)、震は車(迭象の乗)なので「百両」。『詩経』周南・鵲巣「鵲は巣があって、鳩はそこに居る。この子の帰(嫁ぎ行き)、百両の車は御(それに随う)」とある。艮は成(固まる?)、震は嘉福(迭象)。

日本語訳

喜楽は踊躍しながら、名家に来迎する。鵲の巣の百両は、以て嘉福を成す。

解説

『詩経』周南・鵲巣の詩は、鵲が作っている巣に、鳩(自分では巣を作らない鳥)が入って来るようにこの子も嫁ぎ行き、百輌の車は礼物を載せて随いゆく……という詩です。

名家にはそのような喜びが踊るように百両の車と合わせて来迎して、いいことも起るというのが易林の詩の意味です。なので、それが節と賁にどのように関わるかなのですが、

節:澤の上に水が有る(ので、程よい感じに収まっている)。苦節(苦しすぎるほどの節減は)不可貞(よくない)……。説以行険(楽しみながら険しい中を行くのは)、當位以節(程よい位を得て抑えていることなので)、中正にして通(上手くいく)。

賁:山の下に火(明るいもの)が有るように……文明以止(文化の華やかで落ち着いているのが)、人の文。

ということなので、ふだんは落ち着いていて苦しんで節減するわけではないけど、楽しみながら抑えも効いている名家(長くつづいている家)に、百両の車と共に喜楽も踊りながらやってきて華やぎと楽しさが入ったようになる、という意味だと思います。

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ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を大学院で学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)です。 西洋占星術のブログも書いています