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39-59  蹇之渙

本文

従騎出谷、游戲苦域。阪高不進、利無所得。

注釈

震為騎、為出、艮為谷、為域、坎為苦。艮為阪、為高、巽為利、風散故無得。(水山蹇から風水渙へ)

渙の裏卦豊の震は騎(説卦伝の馬)、出る(動くからの連想)、艮は谷(迭象)、域(迭象の国から派生?)、坎は苦しむ(連想解釈)。艮は阪・高(山から連想)、巽は利(説卦伝から連想)、風が散じるので「得るものが無い」。

日本語訳

騎に従(よりて)谷を出でれば、苦域に游戲す。阪は高くて進めず、利は得られない。

解説

複雑に絡まり合った水だらけの谷の中を馬に乗って歩いていて、やっと抜けたと思ったら、まだ外には水だらけの沼があって、その周りの阪は高くて越えられないほど……という詩です。

蹇:利西南、不利東北。……見険而能止、知矣哉。
西南に利ありて、東北に利あらず。険を見て能く止まる、知なるかな。

渙:風行水上、渙。(正義:激動波濤、散釋之象)
風が水の上を行くのが、渙。(波を大きくゆらして、水を散らしている様子)

とあって、水山蹇の艮は後天八卦で東北なので、艮(閉じ込める東北)に行くと利ならず、平坦な坤(後天八卦の西南)に行くと利あり、それは険しいものをみたら無理して入らずに止まることで、そうすれば難から抜けられる、です。

(逆に、苦域の中で阪(険しい)に向かっていると、いつまで経っても抜けられないことになります)

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ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を大学院で学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)です。 西洋占星術のブログも書いています