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3-23  屯之剥・44-55  姤之豊・7-47  師之困

本文(屯之剥・姤之豊)

天官列宿、五神共舎。宮闕光堅、君安其居。

注釈

艮為官、為星、故曰天官列宿。漢楽章有五神歌曰「五神相、包四鄰。」如淳曰「五神相、太一也、蓋即五星也。」艮為舎、反震為神、坤、五行数五、故曰五神共舎。艮為宮闕、為光、為堅、為居、為安、一陽止於上、故曰君安其居、故曰共舎、言五陰承一陽也。(水雷屯から山地剥へ)

艮は官(迭象の臣?)、星(迭象の光明?)なので「天官列宿」。『漢書』礼楽志 郊祀歌 十六「五神歌」に「五神の相となりて、四隣を包む」とあって、如淳は「五帝は太一の宰相となること(五帝為太一相也)」としている。

艮は舎(囲うもの)、剥の外卦は反震(上下逆の震)なので神(出典不明)。坤は九宮図に入れると土、土は五行生数で五なので、「五神共舎」という。艮は宮闕(囲うもの)、光(迭象)、堅(説卦伝:堅くて節の多い木)、居・安(囲うもの)。山地剥の一陽は上にとどまっているので「君(太一)は其の居に安んずる」「五神(五陰)は舎を共にして(太一を支える)」と云い、五陰が一陽を支えていることを云う。

伏艮為天、為官、為星宿、震為神、巽卦数五、故曰五神。伏艮為宮室、為完堅、震為君。五神、五星也。(天風姤から雷火豊へ)

豊の裏卦の互体艮は天(迭象)、官(迭象の臣)、星宿(迭象の光明)。震は神(出典不明)、巽は五番目(乾兌離震巽……)なので、五神という。豊の裏卦の互体艮は宮室(囲うもの)、完堅(説卦伝:堅くて節の多い木)、震は君(迭象)。五神は、五星のこと。

本文(師之困)

天官列宿、五神所舎。宮闕堅固、君安其居。

注釈

通賁。艮為官、在上、故曰天官。艮為星、故曰列宿。坎亦為宿也。震為神、坎数五、故曰五神。五神、金木水火土五星也。艮為舍、為宮闕、為堅固、為安居。震為君。(地水師から沢水困へ)

師から賁になるときに通じる。艮は官(迭象の臣)、困の裏卦賁では上にあるので「天官」という。困の裏卦の艮は星(迭象の光明)なので「列宿」。坎はさらに宿(籠るもの)。震は神(出典不明)、坎は納甲説では戊、戊は十干で五番目なので「五神」という。五神は、金・木・水・火・土の五星のこと。艮は舍・宮闕・安居(囲うもの)、堅固(説卦伝:堅くて節の多い木)。震は君(迭象)。

日本語訳

天官列宿は、五神の共に舎(宿るところ)。宮闕は光堅(きらきらとして堅く)、君はその居に安んじる。

解説

天官は『史記』天官書などにみえる言葉で、天の星は宮城のようになって、下界の様々なことを星たちが司っているという感覚です。列宿はいろいろな星座という感じでいいと思います。

五神は五行を象徴化した神という感じで、それが天界にいます。宮闕は天宮のこと、それが玲瓏と輝いていて、天の中央には上帝がいて……という詩です。

というわけで、それぞれの卦の様子がどのようにこの詩を関わるかなのですが、

屯:まだ険しい春の冰の中で、陽気が動こうとする……。天造(天の道は)草昧(まだ暗く)、諸侯を建てるには宜いけど不寧(まだ安らかではない)。

剥:山が地に崩れ落ちていくように……上の者は下の者に厚く施して、その居(宅)を安んじる

師:地が多くの水を蓄えるように……君子は民を容れ衆を養う

困:地が溜めていた水が減って困っても、命を致し志を遂げること

姤:天の下に風が有って、命を四方に誥(行きわたらせる)

豊:雷電(雷と火は)皆な至り、とても大きい。君子はその勢を借りて獄を行ない刑を致す

ということなので、姤:四方に誥して、豊:威は大きいこと、屯:草昧のときに侯を建てるけどまだ寧らかではないから、剥:下の者を安んじる、師:民を畜(やしなう)から困:危うく困っているときでも命を行なうことのように、いずれも中心性があります。

なので、天の星に守られているように、険しい中に動き出して、さらに下の者も安らかにしたりする草創のとき(屯之剥)だったり、令を四方に施して勢いのとても豊かなとき(姤之豊)だったり、人々をよく養っていて、いざというときにも変わらずやっていける様子(師之困)だったりします。

2024年6月20日追記

 この三篇の解釈は今からみると、

屯之剥:屯(物事が動き始めてぶつかり合いがある様子)から剥(最後の一葉が木に残っている様子)のように、わずかに高い処に残されている天官列宿。

姤之豊:姤(下から不穏なものが入ってくるが、なんとかまだ抑えている)から豊(政令豊大にして盈満する様子)のように、下には不穏なものがあっても天官列宿はまだそれに気づかずきらきらと堅固に耀いている様子。

師之困:師(まとまる)から困(がちがちに締め付け合い、動けない)のように、天官列宿の冷ややかな耀きのまま膠着した様子。

のように、ある種の反言だと思ったりしています(笑)

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ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を大学院で学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)です。 西洋占星術のブログも書いています