創作・エッセイ

漢文の資料をネットで調べるときに

『易林』とは関係ないのですが、漢文の資料をみていてよくわからない表現や、出典が何かありそうなときに使えるサイトをまとめてみます。

(本を買うというものありだけど、高い上にあまり出回らないし、そもそも探し方がわからなかったり、置き場所を取る、どこまでも増えるなどの理由であまりおすすめできないので。あと、日本では訳されていなかったり、地方の図書館だと置いてないことも多いので……)

文字・語彙など

 まず、わからない語彙についてなのですが、日本で出ている漢和辞典だとマニアックで癖のある用例・熟語は切っていることも多いので(数冊組の辞書などは買えないし置けないので)、「○○ 意思」「○○ 百度」という感じで入力すると、なんとなくの意味はわかることが多いです。ちなみに「作品名 百度」で検索すると、現代中国語に訳されているものが読めることが多いです(この訳がまた美しいことが多い)。

 もっとも、このやり方は多少の中国語が読めないとなのですが、中国語の字をさらに長押しして検索すれば、日本語でその単語の意味を解説しているサイトに大体は行き当たるので大丈夫です。あるいは漢文みたいな感じで中国語を読んでしまってもなんとなく合っていることが多いです。

 たとえば、「疏快」「沈雄」などは日本語ではあまり馴染みのない語彙ですが、さきのやり方で検索すると、それぞれ「明快爽朗(すっきりと明るい)」「大きい浮き沈みのあって、大きい気勢があること」のような雰囲気がなんとなくつかめます。

 あるいは出典不明の熟語(作人など)にもこの技は使えることが多いです。

出典や文脈など

 つづいて出典や文脈などを調べたいときに使える技なのですが、まず出典はここ(中国哲学書電子化計画)でそれっぽい言葉を索引のところに入力して探すと見つかることが多いです(本の題名がわかっている場合、その本の中だけで探せます。特に先秦~漢にかけてが大充実!)。

 たとえば「郭氏」のときは、このやり方でなんとなくそれっぽい出典を探して読む、という感じで見つけてます。

 あとは、前後の文脈がどういうふうになっているか読みたいときにも使えることが多いです(何なら『易林』の詩がどのように重複しているかもこれで探している)。

 ただ、これには一つ問題があって、先秦~漢くらいまでの資料って、ものすごく読みづらくて変な字の使い方をしている例が多いので、注釈が必要なことがあって、そういうときはこれ(国学導航)で注釈がついているところを見るようにするといいです。特に五経・史記・漢書・老荘の注釈などの堅めの読みづらい本の注釈が充実してます。(ちなみにこれは索引機能がないので、電子化計画で大体の場所をさがして、国学導航で注釈をみるという方法がいいと思います)

 あとは、詩の作品などを探したい場合はこれ(捜韻)があって、作者ごとに調べたり、字の意味やマニアックな用例・熟語も載っていたりと、かなり充実しています(個人的に一番好きだったりする。いろいろな詩詞を味わうという使い方もできる笑)。

 というわけで、色々と紹介しましたが、最近思っていることとして、ネットで分からないことを調べると大概のことは出てくるけど、こういうのって全部裏で作っている人がいるんだなぁ……ということで、こんな面倒なことをしてくれるお蔭で色々調べてわかるのって素晴らしいと思うし、多少の精度の差はあっても皆がネットに色々書き込んでくれるというのはやはりいいことだと思ったりしてます。

(やってみて思うのですが、ネットに色々書き込むのってすごく時間がかかる……。あと、『文選』だけは維基文庫が一番みやすくて好き)

ABOUT ME
ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を大学院で学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)です。 西洋占星術のブログも書いています