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42-24  益之復

本文

德施流行、利之四郷。雨師灑道、風伯逐殃。巡狩封禅、以告成功。

注釈

震為德、為行、卦数四。坤為郷、故曰四郷。坤為師、為水、故曰雨師。坤為風、震為伯、故曰風伯。『独断』云「雨師畢星、風伯箕星也。」古者天下太平、天子必巡狩四方、封太山、禅梁父。震為言、故曰以告成功。(風雷益から地雷復へ)

震は德(出典不明)、行く(動くから連想)、数は四(乾兌離震……)。坤は郷(地から連想)なので、あわせて「四郷(四方の郷)」という。

坤は師(出典不明)、水(迭象から連想)なので、「雨師(雨の神)」。坤は風(迭象)、震は伯(長子)なので「風伯(風の神)」。蔡邕『独断』に「雨師は畢宿で、風伯は箕宿。」という。古くは天下が太平になると、天子は必ず四方を巡狩(視察)し、泰山で封(天を祀り)、梁父山で禅(地を祀った)。震は言葉(迭象の口から連想?)なので、「功を成したのを告げる」という。

日本語訳

德は施され流れて行き、四方の郷を利するので、雨師は道を灑(清め)、風伯は殃(災い)を逐い散らす。巡狩して封禅し、功を成したことを告げる。

解説

とりあえず注釈はよくわからないです……。この詩は全く同じ形で、萃之比にも出てくるのですが、その場合は本卦・之卦・互体いずれも震を含まないなど、なんとなく無理がある気がするので、仕方ないですが独自解釈です。

まず、益は雷がこもった冬の気を切り裂いて、風が柔かく春の気を育てていく様子で、復は震が地中にあって、まだ春の初めという様子です。益から復になるときは、却って陰が増えているのですが、詩の内容からあまり暗い印象はないので、まだ春の浅いところにも急に春雷がやってきて掻き乱していくことだと思います。

そうすると、「德施流行、利之四郷」は春の雨、春の風を孕んだ春の嵐、「雨師灑道、風伯逐殃」はこれから春になっていく様子、「巡狩封禅、以告成功」は復のような暗いところにも春雷が入り込んでくるように広がることではないかと思うのですが。それゆえ春の徳は四方を利して、春の雨風の霊たちは残った暗いものを濡らしては道の片隅に寄せて、そのようにして春は爛漫としていくみたいなことを描いたのでは……と。

余談

五行説で春は、木・東などに重なるので、泰山は東(山東省)にあって東の山として祀られています。多くの陰の下にひとつだけ陽が生まれる復は春の初めだとすると、多くの陰に最後の陽が追い落とされていく山地剥は晩秋の冷たさですが、秋は西で、西の山は華山なので、益から剥になるときは華山が出てきます(その詩が後世にそれぞれの山がどのような信仰を受けたかを微妙に象徴しているようで、そういう面でも興味深いのですが)。

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ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を大学院で学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)です。 西洋占星術のブログも書いています