Uncategorized

32-46  恒之升・36-27  明夷之頤・30-33  離之遯

本文(恒之升)

三狸捕鼠、遮遏前後。死於環城、不能脱走。

注釈

詳離之遯。(雷風恒から地風升へ)
離から遯になるときに詳しく書いてます。

本文(明夷之頤)

三狸捕鼠、遮遏前後。死於環城、不得脱走。

注釈

詳離之遯。(地火明夷から山雷頤へ)
離から遯になるときに詳しく書いてます。

本文(離之遯)

三狸捕鼠、遮遏前後。死於圜城、不得脱走。

注釈

古猫未為家畜、故以狸捕鼠。狸、狐属。艮為狸、数三、故曰三狸。艮為鼠、艮止、故曰遮遏前後。伏坤為死、乾為圜、艮為城、艮止故難脱。(離為火から天山遯へ)

古くは猫がまだ家畜になっていなかったので、狸で鼠を捕っていた。狸は、狐の属。艮は狸(説卦伝の狗から派生?)、数は三(納甲説で艮は丙、丙は十干で三番目?)なので、三狸という。艮は鼠・止まる(説卦伝)なので、前後を遮遏(さえぎる)。遯の裏卦に含まれる坤は死(純陰)、乾は円い(説卦伝)、艮は城(周りを囲むもの)、艮は止めるなので脱けられない。

日本語訳

三匹の狸が鼠を捕えるのに、前後を遮遏(さえぎる)。圜城(囲まれた壁)の中で死して、脱けて逃げられない。

解説

とりあえず色々わからない詩です。注釈の説に従うと艮を重く読んでいるので、恒之升のときがあまり近くないような気がします……。個人的には、恒の四爻が変わると升になるので、それを載せてみます。

九四:田、無禽。
田猟しても、鳥はいない。

これは四爻が陰の位なのに陽があるので、落ち着いているべきなのに動いてしまう様子を、田猟しても鳥がいないことに喩えています。『易林』の詩でも、三狸が一匹の鼠を追うのは執拗すぎる感じがあるので、獲物が減っても狩りつづける(恒は雷の強い動きに、風の柔らかさが従う様子なので、ずっと続くと疲れてくる)ことを書いている気がします。

そのように読むと、明夷之頤では、明夷は陽気誕謾、春心蓬然としたような雰囲気での奢侈にすぎる田猟、頤は上の者からそういう雰囲気が下に流れていくことになって、離之遯では、離は華やかで楽しみに満ちているけど、楽しみがすぎてやや殺伐としてきて、遯:君子以遠小人、不悪而厳(つまらぬことをする人を遠ざけ、悪さをせずに厳としている)のように身を引いていく様子を書いているのが通じている。

いずれも殺伐とした雰囲気が漂い始めていることを書きながら、恒之升では勢いのいいときが続きすぎて少し疲れが出てきた不穏さ(升は地中の木が少しずつ大きくなるのを待つ様子)、明夷之頤では奢侈や逸楽を求めすぎて周りも染まり始めていること、離之遯では荘子・人間世篇の「且以巧闘力者、始乎陽、常卒乎陰、大至則多奇巧。以礼飲酒者、始乎治、常卒乎乱、大至則多奇楽。凡事亦然。始乎諒、常卒乎鄙(そして巧みさを競い合うときは、始めは楽しくやっていても、いつも終りには陰険になっていて、甚だしいときは嫌味な技巧も多くなる。礼のあるように酒を飲み出して、始めは落ち着いていても、いつも終りは乱れて、甚だしいときは逸れた楽しみもするようになる。およそ物事はそのようで、始めは整っていても、いつも終りは乱れている)」ような宴席を離れるようなことを書いているという違いだと思います。

ABOUT ME
ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を大学院で学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)です。 西洋占星術のブログも書いています