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36-30  明夷之離・4-64  蒙之未済

本文(明夷之離)

山林麓藪、非人所處。鳥獣無禮、使我心苦。

注釈

伏艮為山麓、巽為林。(地火明夷から離為火へ)

離の互体の裏卦の艮は山麓(説卦伝の山)、明夷・離の互体の巽は林(説卦伝の木)。

本文(蒙之未済)

山林麓藪、非人所處。鳥獣無禮、使我心苦。

注釈

此用蒙象。艮為山、震為林麓、故曰山林麓藪。震為人、坎険、故人不可處。艮為鳥、為獣、坤為禮、坎隠伏、故無禮。坎為心、為労苦。(山水蒙から火水未済へ)

これは山水蒙の象を用いている。艮は山、蒙の互体の震は林麓(震は木)なので、山林麓藪という。震は人(出典不明)、坎は険しい(説卦伝)なので、人は居られないという。艮は鳥(迭象)・獣(説卦伝)、坤は礼(出典不明)、坎は隠伏(説卦伝)なので、礼が無いという。坎は心・労苦(説卦伝の心病・多眚から派生)。

日本語訳

山林麓藪は、人の居るところではない。鳥獣は無禮で、私の心を苦める。

解説

麓は山の下にある大きい林です。明夷は、日が沈むように明なる人が痍(敗)れていること、離は日が高いところに再び罹(離)ることです。

さらに、蒙から未済になるときは蒙の四爻だけが変わるので、そのときの爻辞も読んでいきます。

六四:困蒙、吝。
蒙に困ず、卑しくて吝(けち)。

蒙の四爻は、二・上爻の陽から離れて、三・四・五爻とつづく陰爻の中にあるので、蒙(暗)い中で苦しむ。周りは卑しくて吝な者ばかり……という意味です。それが未だ済(整)ずになるので、まだその中で苦しみ続ける意味だと思います。

同じ詩を使っていても、明夷から離になるときはそれを脱け出して、山林麓藪の鳥獣に苦しめられたことを思い出すように、蒙から未済になるときは山から抜け出せず、蒙昧な鳥獣に苦しめられることです、たぶん。

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ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を大学院で学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)です。 西洋占星術のブログも書いています