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34-57  大壮之巽

本文

犬吠非主、上下膠擾。敵人襲戦、閔王逃走。

注釈

伏艮為犬、震為鳴、為吠、為主、震伏、故曰非主。艮為上、震為下、坎為膏、為膠、離亂、故曰上下膠擾。震為人、為戦、三至上正反震艮相対、故曰敵人襲戦。坎為閔、震為王、為走、故曰閔王逃走。『戦國策』「楽毅伐斉、至済西、閔王走莒」是也。(雷天大壮から巽為風へ)

大壮or巽の裏卦の艮は犬(説卦伝)、震は鳴・吠(説卦伝のよく鳴く馬からの派生)・主(迭象の君)で、震は裏卦なので「主にあらず」という。艮は上・震は下(出典不明)、坎は膏・膠(迭象の肉)・離乱(出典不明)なので「上下膠擾」という。

震は人(出典不明)・戦(迭象の武・征伐など)、大壮の三爻~上爻にかけては上から艮・下から震が向かい合っているので「敵人襲戦」という(四爻~上爻の間で上から艮・下から震だと思うけど、三・四爻を一つに見ている)。坎(巽の初~四爻で大きい坎になる)は閔(憫れむ、説卦伝の心病?)、震は王(迭象の君)、走(動くから派生)なので「閔王逃走」という。『戦國策』燕策二「楽毅 大いに兵を重し斉を伐ち、……(「済水の西に至る」は原文にない)……閔王 逃遁して莒(きょ)に走る」とある。

日本語訳

犬が吠えるのは主にあらず、上下に膠擾する。敵人の襲戦して、閔王は逃走する。

解説

閔王は湣王とも書いて、戦国期の大国斉の王だったのですが、燕の楽毅に攻められて都から逃げることが『戦国策』にあるのに基づいている詩です。ちなみに、燕は一国だけではまるで斉に敵わず、趙・魏・楚・宋の四国とあわせて斉を攻めているので、犬はいままで斉に抑えられてきた燕、主の座から追い落とされたのは斉ということになりそうです。

膠は、もとは動物の皮や骨から取れるゼラチンのことですが、ここでは「蜿灗膠戻(うねうねぐちゃぐちゃ)」のように、入り乱れて曲がっていることです。なので、大壮(雷が天の上で鳴っているように熾ん)だった斉は、上下に膠擾されて、巽(従うもの)になるということだと思います。

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ぬぃ
占い・文学・ファッション・美術館などが好きです。 中国文学を大学院で学んだり、独特なスタイルのコーデを楽しんだり、詩を味わったり、文章書いたり……みたいな感じです。 ちなみに、太陽牡牛座、月山羊座、Asc天秤座(金星牡牛座)です。 西洋占星術のブログも書いています