本文
澤枯無魚、山童無株。長女嫉妬、使身空虚。
注釈
兌為澤、離枯、巽為魚枯、故無魚。伏艮為山、兌上缺為童。『荘子』徐無鬼「堯聞舜賢、挙之童土之地。」注「童、無草木也。」巽為株、為長女、伏坎為嫉妬。艮為身、離為空虚。(風地観から巽為風へ)
巽の互体の兌は澤、離は枯(離は火なので、水を枯らせる)、巽は魚が枯れる(迭象)なので「無魚」という。巽の裏卦の互体艮は山、兌の上が缺けると童(草木のない山。理由は不明)。『荘子』徐無鬼篇「堯は舜の賢なるを聞いて……、これを童土の地にて持ちあげた」の疏に「地無草木、曰童土(草木のない土を、童土という)」とある。巽は株(出典不明)・長女(説卦伝)、巽の互体の裏卦の坎は嫉妬(出典不明)。観の互体艮は身(出典不明)、離は空虚(出典不明)。
日本語訳
澤が枯れて魚無く、山が童(涸びて)株も無い。長女は嫉妬して、身を空虚にする。
解説
注釈の中でいいと思うのは「童:草木のない地」のところで、使い果たしている様子です。観は「盥而不薦、有孚顒若、下観而化也。観天之神道(手を濯いで、供え物をする前にして、信はあって厳然たり。下のものは観て感化され、天の神道を観る)」のように、やや堅い感じで物事を行っている様子で、そのためには供え物の魚や木の枝などを山や沼から取ることになるけど、それも涸れてくるみたいなことだと思ってます。
そうなると、長女は巽為風のことで、祭儀のために巽(調整する)して色々とやっているけど、その巽することも少しずつ疲れてきて、上手くいかない故に他者を妬みたい気がしてくる、だと思う(「澤枯無魚、山童無株」は人の心の山みたいな感じもある)。